· 

カエルの幹細胞から作られた「生体ロボット」が開発される、物質の運搬や自己再生も可能

カエルの胚の細胞から再構成された生きたロボット「Xenobot(ゼノボット)」が開発されたことが明らかになりました。自律的に歩行して物質を運搬することが可能なXenobotは、人体内の患部に薬剤を輸送したり、血管内に蓄積された老廃物を除去して動脈硬化を防いだりすることができると期待されています。

世界で最初の「生きたロボット」の開発に成功したのは、バーモント大学で進化ロボティクスについて研究しているジョッシュ・ボンガード氏と、タフツ大学の生物学者マイケル・レビン氏らの研究グループです。研究グループはまず、バーモント大学内にあるスーパーコンピューターを使用して、独自の「進化アルゴリズム」に基づいたシミュレーションを実施。生きた「皮膚細胞」と「心筋細胞」をどのような形状や構造で組み立てれば効率的な運動が可能なのかを、数千種類のデザイン候補の中から選び出しました。

研究グループは次に、アフリカツメガエルの生きた胚から幹細胞を採取して培養しました。そして、極小サイズのピンセットと電極を使用して細胞を成形し、デザイン通りのロボットを製造しました。なお、Xenobotという名前は、アフリカツメガエルの学名「Xenopus laevis」から取ったものだとのこと。

実際にXenobotが動作しているところや、製造の様子は以下のムービーから見ることが可能です。

https://gigazine.net/news/20200114-xenobots-living-robots-stem-cell-frog/