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ロボット研究者・石黒浩が語る、“人間らしいロボット”の現在地 「ロボットにも個人的欲求と社会的欲求が必要」

マルクス・ガブリエルとの対話、AI美空ひばりについての見解等興味深い。

――この3年弱のあいだに取り組んできたことの成果を教えてください。

 

石黒:色々あるけれども、ひとつは東京大学の池上高志先生と共同で手がけた「オルタ」。これは機械の姿かたちだけれども「生命らしさ」を感じさせるロボットになっています。オルタは以前つくったテレノイドやハグビー同様に「引き算」の発想、ミニマルデザインで作られている。人間が人間と相対するときには声、動き、見かけ、触感といった様々なモダリティ(様相性、感じ方)から相手のことを判断します。一方テレノイドは「声」と「(人間のような)見かけ」、ハグビーは「声」と「触感」というふたつのモダリティに限定して訴えるものです。

ではオルタはというと、見かけは機械だから人間らしくないけれども、「動き」と「声」によって生物らしさを感じさせるロボットです。複雑な機構に基づき音を発しながら動くだけといえばそれだけなんだけれども、ものすごく生きものっぽく感じます。

https://realsound.jp/book/2020/03/post-514197.html